いろは椿
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2010/05/24 (Mon) 五耀會@三越劇場

昨日、5月23日は第3回五耀會でした。会場は東京・日本橋の三越劇場。
初めて足を踏み入れましたが、小規模で装飾の美しい劇場ですね。

お開きは花柳寿楽師の地歌「八島」。地歌を伴奏曲の一種と捉えて踊る、とプログラムにも書いていらしたように、動きも振りも闊達そのもの、外へ外へと発散する作品になっていました。騎乗する振り等を取り入れてスケールを大きく作り込んでいらしたように思います。

長唄「瓢箪鯰」では西川箕乃助師が大津絵さながらの下男姿で登場。大きな瓢箪でひたすら鯰を押さえつけようとする不思議な場面が展開されます。途中で鯰に瓢箪を奪われたり、なぜか下男と鯰で吉田屋の伊左衛門と夕霧をなぞらえたひとふしがあったり、歌詞にも随所に「なまず」という語が詠み込まれる等の剽逸な気軽さが親しめる作品で、西川潤さん扮する鯰の着ぐるみも(かなりリアルながらも)愛らしく大好評でした。

藤間蘭黄師の長唄「一人椀久」は、登場から目を奪われる程の椀久の美貌。非常に二枚目の似合う方で、こういうお大尽に通われたら松山も幸せだと思う位でした。椀久は発狂しているという設定のため表情や表現が、苦悶、懊悩、(かつてを思い出しての)恍惚とくっきり移ろい、舞台が彩られていました。

続いて清元「旅奴」。今回の五耀會を貫くテーマは旅なのだと、司会の葛西聖司氏がお話になっていました。大喜利の長唄「旅」につながるプレリュードのような短い曲ながら、花柳基師の洒脱で華やか、かつ超越的な身体能力の魅力が凝縮されていて楽しめる作品でした。

そして、山村若先生の地歌「ままの川」。お座敷風にしつらえた道具立てが心地よい落ち着きを醸し出す中での着流しによる女舞。少しの余分な動きでも観客の夢が醒めてしまいますので足運びの一歩もゆるがせに出来ない重圧がある訳ですが、果たして、これほど濃密でたおやかな舞があるものかと、2階から拝見しても溜息の出るような世界が展開されました。扇さばきも、何気なく曲に溶け込むなさりよう。いつ拝見しても理想です。

満を持して、五名お揃いでの長唄「旅」。去年6月の新歌舞伎座での三人立ちも拝見し、大変面白く堪能した次第でしたが、今回は全員とあってさらに贅沢そのものでした。乗りに乗った先生方の舞踊が伯仲し、融合し、一緒に東海道を旅した気分にひたりながら舞台って本当に楽しい!と満喫できる作品での幕引きでした。

今回はさらにその後、全員お揃いでのアフタートークがついていました。司会の葛西氏の進行も冴え、つい先程まで舞台で魅了した先生方が率直に気さくにお話になる様子に、フラットな目線で一人でも多くの方に日本舞踊の魅力を伝えたいという真摯な思いが伝わってきました。

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冷静と情熱の間で彷徨う日々です。解らなかったことが水滴同士のようにぴたっとつながる瞬間が好き。お仕事は横文字に浸かって、趣味で上方舞を続けています。

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