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昨年に続き、第二回「お遊戯会」に参加させてもらい、22日の日曜日には大津まで行ってきました。大津京は大阪から40分ですが、伝統芸能会館という所に綺麗な能舞台があるのです。知的美女な能楽女史主催で能狂言をお稽古している方々の集まりに、ジャンル不問ということで飛び入りさせてもらっています。
こちらは出演者が見所に回って見る感じの内々のお浚い会ですが、それでも舞囃子をかける方々は何回も練習や早朝申し合わせをしていらしたり、素人同士であっても舞台にかけることに本気なので、とても良い刺激になります。規模に関わらず、人様の前で披露することが大事なので、機会を頂けるのは有難いと思うことしきりです。(私にはある意味アウェイの環境なので厳しい目に晒されることも必要かと。)
去年は能にも由縁のある演目ということから地唄「鐘が岬」を舞わせて頂きました。15分あるので普段地唄舞をご覧にならない方にはちょっとお目だるかったかなということもあり、今年はもう少し短いものをと思ったのでした。ただ、半年以上お稽古をお休みしてしまい、10月からご教授頂くにあたって何か以前にお稽古して頂いたことのあるもののうちで...となった時に、振りが大好きだったので地唄「大仏」をさせて頂いてもいいでしょうか?と師匠に申し上げた次第でしたが、それでいろいろお手数をおかけしてしまった顛末がありました。申し訳ないのと感謝のうちに迎えたようなものです。
今回は能つながりではなかったのですが、大津は京都に近い場所でもあり、題名と内容のギャップがある所が面白いかもと思ったのです。
こちらに引いておきます。
地唄「大仏」
大仏の妹背は京と奈良坂や 児の手柏の両面(うらおもて) 窓から窓の垣間見に
囁く声もこだまして 聞いて居よとも耳塚に
何の遠慮も太しき柱 互いに手に手をのばし合して抱き締めて
穴を忍び路潜らばくぐれ 鳥はものかは釣鐘さえも
撞かぬ夜明けとまた布団着て 寝たる姿や東山
京都方広寺の大仏と奈良の大仏が恋仲という設定で、歌詞も非常に官能的なのですが、振りはそれをさらっと仕立ててあるのと、地唄には珍しくまだお互いが一緒にいる幸せな幕切れという所が好きです。余談ですが最後の歌詞は服部嵐雪の俳句「布団着て寝たる姿や東山」を詠み込んであるそうで(出典:別冊演劇界「日本舞踊集成②京舞・上方舞編」)同じ句が別の地唄「東山」にも冒頭に詠み込まれているようですので、人口に膾炙した句だったのでしょうね。
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今年は6月に酒さ様皮膚炎の劇症型のような症状を発症し、数ヶ月はお化粧ができずにマスク通勤していたため一時はもうこのまま人前に出られないのではないかと不安もよぎりましたが、でも治るでしょ、と淡々と構えるようにしていたら半年で何とか持ち直しました。舞える喜びを噛み締めることができて、年末を無事に締めくくることが出来たことが本当にありがたいと思いました。
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